2015年2月13日金曜日

人工呼吸器NIPネーザルのiVAPSモードについて

今回は院内での慢性呼吸不全患者の在宅療法移行に向け帝人ファーマ社の『NIPネーザル』を借りてみました。



この呼吸器は基本的に在宅療法向けの呼吸器であり、コアな呼吸管理でなければ院内のちょっとした搬送用のNPPV機器としても使用できるとのこと。

搭載する呼吸モードは
 Sモード、PACモード、S/Tモード、iVAPSモード、Tモード、CPAPモード
の6つ。

ここでこの機種の目玉モードはiVAPSモード。

|iVAPSモードとは

 iVAPS(intelligent volume assured pressure support)は、患者さんの肺胞換気量を測定しながら、あらかじめ設定した目標肺胞換気量を維持するためにプレッシャーサポートに加えて iBR(intelligent backup rate バッアップ回数)を自動的に調整する新しい技術です。
-メーカーホームページより引用-http://medical.teijin-pharma.co.jp/zaitaku/product/nip-v/index.html

他社の呼吸器に搭載されているVV+(C社)やPRVC(F社)、AVAPS(P社)等のモードは従圧式呼吸において設定する1回換気量を維持するモードである。

結局のところ違いはとういうと。
肺胞換気量を維持するか一回換気量を維持するかである。

他社の一回換気量を維持するモードでは呼吸回数の変動で分時換気量が変化してしまう。これに対してiVAPSは目標とする肺胞換気量を設定するため睡眠時などの呼吸抑制時にも分時換気量が維持できるということだ。
これによりⅡ型呼吸不全の治療に有用であるとのこと。

|まとめ

iVAPSは目標肺胞換気量を設定できるためⅡ型呼吸不全患者の動脈血二酸化炭素分圧の管理に有用である。
適正な肺胞換気量の設定は血ガスを測定しながら決めていかなければならないため、退院までの間にしっかりの調整してあげなければなりませんね。
そして、退院後も定期的な血ガス測定を行い適正な設定を維持していかなければなりませんね。


0 件のコメント:

コメントを投稿